ブラックボックス化したIBM i(AS/400)アプリにメス ツールによる全容把握でノウハウを平準化
0. はじめに
DX(デジタルトランスフォーメーション)の潮流に乗るため、レガシーシステムの刷新を検討する経営者は少なくありません。しかし、今一度踏みとどまってほしい。本当にレガシーシステムはDX時代にふさわしくないのか。10年先を見据えたシステム像を描くとき、大事なのはレガシーの切り捨てではなくシステムの本質を正しく見極められるかどうか。では本質を探るときのポイントと現実解はどうあるべきか。株式会社GxP(旧:ジーアールソリューションズ)の阿野幸裕のDXマガジンにおけるインタビューを基に解説します。
1. 古いアプリケーションの継続運用の現状
IBM i(AS/400)上で稼働するアプリケーションを長期間使用している企業は少なくありません。これらのアプリケーションは20年以上前に開発されたものも多く、最新のテクノロジーや機能を活用しにくいという課題があります。
2. エンジニアの減少とスキル承継の問題
古いアプリケーションを理解するエンジニアが減少していることが大きな問題です。導入や運用に関わったエンジニアが定年を迎えるなどして現場から離れると、問題が発生した際に対処できる人がいなくなるリスクがあります。若手エンジニアへのスキルやノウハウの承継が必要ですが、これが十分に進んでいない企業も多いです。
3. ドキュメントの更新不足とその影響
アプリケーションの開発や運用に関わるドキュメントが更新されないことも問題です。ドキュメントが古いままだと、実際のアプリケーションと内容が乖離し、若手エンジニアに正確な情報を伝えることが難しくなります。特に、頻繁に改修が行われる場合、ドキュメントの更新が追いつかず、影響分析が不十分になることがあります。
4. ERPやSaaSへの移行の可能性と課題
古いアプリケーションをERPやSaaSに入れ替えることで、ブラックボックス化を解消できる場合もありますが、特に生産管理や購買・調達向けのアプリケーションは自社独自の機能が多く、移行が難しいことがあります。移行するには、フィット&ギャップ分析を行い、最新アプリケーションの機能と業務プロセスの差異を洗い出す必要がありますが、ドキュメントがないとこれが難しくなります。
5. アプリケーションの可視化とX-Analysisの利用
企業は、IBM i(AS/400)上の古いアプリケーションを可視化し、次代に合う柔軟なシステムを構築するためのプロジェクトを進めるべきです。アプリケーションの可視化には、IBM i(AS/400)に特化したアプリケーション可視化/解析ソフトウェア「X-Analysis」を利用するのが現実的です。このソフトウェアを使うことで、数千、数万ものアプリケーションを可視化し、影響分析やドキュメント作成を支援することができます。
6. X-Analysisの機能と利点
X-Analysisは、アプリケーションの中身をデータベース化し、インタラクティブに情報を取得することで、最新情報に基づく可視化を可能にします。これにより、若手エンジニアでもアプリケーションの内容を理解しやすくなり、スキルやノウハウの承継がスムーズに行えるようになります。また、影響分析機能を備えており、プログラムの変更が他のプログラムに与える影響を正確に把握することができます。
7. デジタル化社会に向けた取り組みの必要性
企業は、今後のデジタル化社会を見据え、古いアプリケーションのブラックボックス化を解消し、柔軟なシステムを構築するための取り組みを進める必要があります。IBM i(AS/400)の高い継承性に頼るだけでなく、最新の技術やシステムに対応できる体制を整えることが重要です。
このように、古いアプリケーションの継続運用には多くの課題があり、これらを解決するためには、可視化ツールの活用やスキル承継の強化が求められます。
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