IBM i(AS/400)モダナイゼーションでよくみる失敗原因あるある


IBM i(AS/400)モダナイゼーションでよくみる失敗原因あるある

株式会社GxP(旧:ジーアールソリューションズ)の阿野幸裕のZDNET寄稿記事を基に解説します。

基幹システムを稼働させているユーザーは、ベテラン技術者が在職の内に課題解決をする必要があります。しかし、大きなシステム開発や改修のプロジェクト予算を取ることが難しい時世において、用心してモダナイゼーションを進める必要があり、失敗は許されません。本記事は過去に起きたIBM i(AS/400)のモダナイゼーションの問題を分析し、同じ轍を踏まないために課題を整理しています。

1. 別プラットフォームへのリプレースでコスト増大

IBM i(AS/400)から他のプラットフォームに移行すると、ハードウェアやソフトウェアの構成が大規模になり、運用・管理コストが増加することがあります。IBM i(AS/400)はデータベースやミドルウェア、セキュリティシステムなどをOSに内包して効率的に動作するため、同等のシステムを他のプラットフォームで実現するには大規模な準備が必要です。これにより、今まで考慮しなかった新たなコストが発生し、結果的にコスト増大を招くことがあります。

2. ツールでのコンバージョンの問題

RPGなどのIBM i(AS/400)上のプログラムをJavaなどに変換するツールを使用する場合、ツールやサービスに問題があることがあります。多くのツールは独自のフレームワークを使用しており、結果としてJavaエンジニアがRPGの言語体系を理解しないとソースコードを変更できない状況が生じます。また、中間言語を使用するツールもあり、これを覚えなければメンテナンスが困難になります。これにより、コンバージョン後のシステムが塩漬け状態になるリスクがあります。

3. パッケージ利用時のドキュメント整備の必要性

ERPなどのパッケージを利用する場合、現行の業務仕様が整備されていないと、追加コストやプロジェクトの遅延が発生することがあります。業務仕様の最新情報がIBM i(AS/400)のリソースにしかない場合、リバースエンジニアリングが必要となり、これが完全に行われないと移行が困難になります。結果として、現行システムの仕様を把握するための追加作業が発生し、プロジェクトの進行が遅れることがあります。

4. 段階的なリプレースやサブシステム利用の注意点

営業システムや人事システムなどの部分的なリプレースは有効ですが、サブシステム間のデータ連携やトランザクションが必要となる場合、追加コストやシステムの複雑化が問題となることがあります。特に、サブシステムに跨る共通プログラムやデータが多い場合、外出ししたシステムとの連携が必要となり、これが思わぬコスト増加やシステムの複雑化を招くことがあります。

これらの失敗原因を避けるためには、慎重な計画と実行が求められます。具体的には、現行システムの詳細な分析とドキュメント整備、適切なツールの選定、段階的な移行計画の策定などが重要です。

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