IBM i(AS/400)のレガシー再考


IBM i(AS/400)のレガシー再考

株式会社GxP(旧:ジーアールソリューションズ)の阿野幸裕のZDNET寄稿記事を基に解説します。

一般的なレガシーシステムのイメージ

多くの人がIBM iを「レガシー」と見なす理由として、以下の(誤解された)特徴が挙げられます:

  • 独自のCPU、ハードウェア、OS、プロトコル、言語、データ管理システム

これらの(誤解された)特徴から、IBM iはオープン系アーキテクチャーと対極にあり、古いシステムのまま使われているというイメージが強いです。そのため、ITベンダーは「早くリプレースしないとDXに間に合わない」と警告しています。

IBM iの実情

しかし、実際にはIBM iは以下のようにモダナイズされています:

  1. CPU: Power Architectureをベースにしたオープンなプロセッサーを使用。
  2. ハードウェア: Power Systemsは仮想化技術を用い、IBM i OSの他にLinuxやAIXも稼働可能。
  3. OS: IBM i OSはAIX互換のシェルを持ち、オープンソースソフトウェアや標準APIに対応。
  4. プロトコル: TCP/IPやHTTPなどの標準プロトコルに対応。
  5. 言語: RPGやCOBOLに加え、Java、PHP、Pythonなどのモダンな言語もサポート。
  6. データ管理システム: DB2 for iは他のオープン系RDBMSと同様に使用可能。

本当のレガシー

IBM i自体はモダナイズされていますが、以下の2点が「レガシー」として残っています:

A. ユーザーアプリケーション

  • 長年の改修で膨大なリソースとなり、仕様書がない場合も多い。
  • 古い言語やデータベースアクセス方法がDX推進の障害に。

B. 開発・運用手法

  • グリーンスクリーンと呼ばれるCUIでの操作が20~30年前から変わっていない。
  • 若いエンジニアに受け入れられず、ノウハウの継承が難しい。

これらが、IBM iの「レガシー」の正体であり、解決すべき課題です。

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