X-Analysisでは、DDL定義されたファイルを抽出してリスト化する機能があります。
また、DDLの視点でファイルとその関連性を視覚化する機能などがありますが、そもそも「DDLって何?」と質問されるIBM i(AS/400)の技術者の方が多いため、今回はその説明を入れながら、DDL視点関連の機能紹介をしたいと思います。





IBM i (AS/400)の歴史からひも解く

1988年、System/38とSystem/36を結合させ、最初のAS/400がリリースされました。
System/38は、1979年にリリースされたRDBMSがシステムの中核部分に組み込まれているデータベースマシンです。
標準SQL規格は1986年発表のため、System/38を開発している1970年代当時では、データの定義や操作に関する独自の方法が必要でした。
DDS(Data Definition Specification)は、この時作られたデータ定義仕様で、AS/400はこれを踏襲しました。
また、もう一方の結合システムであるSystem/36のレコードレベルのアクセス命令(RLA)も踏襲し、データベーステーブルに高速にシーケンシャルアクセスできるように設計されました。
AS/400は各OSのバージョンアップに伴い継承した古いOSのアプリケーション資産の動作を保証してきた結果、今日のIBM i に至ってもDDSによるテーブル定義とRLAが使用可能なデータベースマシンとなっています。





一方でAS/400は、RDBMSとして標準規格に則った以下のSQL仕様も実装してきました。

データ定義言語 DDL
DDL(Data Definition Language)は、CREATEやDROP、ALTERなど、テーブルなどの作成や削除、各種設定など命令です。

データ操作言語 DML
DML(Data Manipulation Language)はSELECT/INSERT/UPDATE/DELETEなどテーブルに対するデータの格納や取り出し、更新、削除などの命令です。

データ制御言語 DCL
DCL(Data Control Language)はBEGIN、COMMIT、ROLLBACKなどトランザクションの制御を行う命令です。

AS/400 の後継である今日のIBM iは、DDS,DDL,RLA,DMLなどが同居し、DDSとDMLの組み合わせでも使用できるなど、柔軟なシステム環境となっています。





SQLのメリット

DDS,RLAは今後のOSのバージョンアップで機能向上することはありません。
また、SQL化(DDL等)は、パフォーマンスアップ、柔軟性、拡張性、将来性等、様々なメリットがあるようです。
「AS/400 DDS DDL」「AS/400 RLA SQL」等の複合ワードで、検索エンジンで記事を探してみてください。
様々なメリットが記載された記事を見つけることができます。

 

X-Analysisの特徴

DDS,DDL,RLA,DMLなどが同居した中で、どの視点からも解析結果を見れるようにしています。
よって、DDL化が進んでも、X-Analysisの使用には何ら障害となりません。



RDBMS(DDL)視点

DDSで定義されたものも含めてDDL視点で見られる機能です。

データモデルダイアグラム (詳細はこちらをクリック






データベースサマリー

物理ファイル毎のRDBMS視点の基本情報をリスト表示します。





データベース変更記録
 物理ファイル毎のRDBMS視点の基本情報とその変更履歴をリスト表示します





同居視点(DDS,DDL)

全てのファイルに関する機能はDDS,DDLに関係無く使用できます。
これはオブジェクトとソースコードの双方を解析するX-Analysisであるからこそ実現できることとなります。(詳細はこちらをクリック